“恐ろしい事態”、それは...
前日の氷の世界がきいたのでしょうか、
オランダの寒さをみくびったバチが当たったのでしょうか(それともハンス・ブリンカー?)、
ボーズが夜中から突然、「気持ちが悪い」だの、「お腹が痛い」だの喚き始めました。
その度に急いでトイレに飛び込むものの、上からも下からも何も出ず、
お布団に戻ってウツラウツラしては、1~2時間後にトイレ、の繰り返し。
熱も出てきて、これって40℃近いんじゃない?!
持参したお薬を明け方まで2度ほどあげたけど、効かない内に無くなっちゃった...。
その日は、ハーグ内のマウリッツハウス美術館・エッシャー美術館、
そしてキューケンホフ公園に行く予定だったのですが、
急遽病院に連れて行ってもらうことにしました。
ただ、この“病院で診てもらう”というのが、オランダでは至難の業のようで...。
医療福祉の発展しているここでは制度も複雑...、そもそも、
かかりつけ医に診てもらった上で必要であれば大きな病院を紹介する、という流れらしい。
激働く女・ナオちゃんが、休暇の多いかかりつけ医にやっと診てもらっても、いつも
「パラセタモール(解熱・鎮痛剤)を飲んで、水をよく飲みなさい。
それで2週間たってもよくならなければまた来なさい」と、すっとぼけたことしか言われないらしい。
そんな診断、自分でもできるって!
そんなんで、アブダビからの飛び入りボーズが救急病院で診てもらえるのか?!
心配だったけれど、ステさんが電話で病院と交渉してくれ、
「では9時半に診ましょう」と言ってもらえました。
ありがとう、助かった~!!(まだ助かったかは分からないが。)
自分達だけでは、どうにもならなかったよ。
ポルトガルの小児病院
再び!(しかもダンナー不在)だったよ。
まぁ、オランダ人は英語バリバリですが。私がバリバリじゃないから。
時計を見ると、朝の8時。車で30分弱かかる病院なので、
1時間ほど経ったら出発しようということになりました。
だがしか~し、ここには時差があった!
なんと、まさにこの日=3月の最終日曜日から、オランダはサマータイムだったのです。
全っ然、サマーのサの字もSの字も感じられない昨日の天気だったけど。確かに今日は暖かい?!
なので、電話の時点で、正しくは朝の9時。
病院に向かう道から見える大きな時計が10時過ぎを指しているのを見て、初めて気づきました。
到着したのは10時半だったが、診てもらえてよかった~。
だがしか~し(第2弾)、先生の浮かぬ顔...。
どうやら、盲腸炎を懸念しておられるようで。
やはり子供は小児科でよく診てもらえ、ということで、救急病院のはしごをすることになりました。
で、ここがまた、場所は近いんだけど、診療にえらく時間のかかるところで...。
まず看護婦さんが採血するのに、腕から注射で採るのではなく、
指先を器具でパチンと傷つけてから1滴ずつ丹念に搾り取ってゆくのですが...
「腕から採るのも慣れてるので大丈夫ですよ」と言っても、
「注射器よりコチラの方が痛みもショックも少ないので」と、丹念に絞り続ける採血職人状態。
でもでも、
“3本も採るなら、いっそのこと一度に腕から採ってやってくれ~!!”
しかも、
“折角丹念に搾り取った大切な血を、振り過ぎて床にこぼすな~!!” (以上、心の声)
ボーズも疲れてグッタリ。30分ほど待ってもまだ
先生は来ないし、母も写真を撮るというものです。
で、やっと現れた先生はアシスタントなんちゃら(←読めない)の男性だった。
で、その数十分後、次に現れた先生もアシスタントなんちゃらの女性だった。
で、ステさんが何度も様子を見に行ってくれて、最後にやっと真打ち登場!
彼らの診察結果を予め聴いてきているらしい、最終先生だ!!
でも、その頃には何度も睡眠を邪魔されて、
その度に同じ診察をされてムッとしている寝起きの悪いボーズ、
散々診てもらうのに抵抗した挙句、
なんとホンマモン先生(皆本物ですが)に、蹴りを入れた!
ひゃ~、すみませ~ん!!
検査結果とこれまでの診断から、盲腸ではないことが分かり、ほっと一安心、
「多分風邪がお腹にきたものでしょう、パラセタモールを処方するので、
水分もよく摂り、1週間して改善しなかったらまた病院へ。」と言われた。
出た~、パラセタモール!
すごい!ナオちゃんが一番正しい!ある意味、予言者だ。
緊急外来のボーズにまで処方されるとは、正に、ある意味、“万能薬”!
先生に蹴りを入れてしまい、喉も診てもらっていないので何とも言えないけれど、
多分また扁桃腺が腫れていたのではないのかなぁ~?と。
でも、オランダでは、抗生物質や強い薬はそう簡単には出してくれないそうです。
ある意味、安心といえば安心ですが。
そういえば、病院の先生達もスタッフも、よく考えてみりゃ、みな親切だったよ。(関係ない?)
それにしても、ナオちゃんとステさんには、
折角のポカポカ陽気の貴重な休日を、ずっと病院で潰させてしまって申し訳なかったです、ほんと。
さらに申し訳ないついでなことに、夕食もステさんに作っていただいちゃいました。あはは!
典型的ダッチ料理と、ベルギーの白ビール♪
因みに、パラセタモールはお子ちゃま用のBanaan(バナナ)味。
大抵の甘い薬が大好物のボーズも、ちょっと嫌がる不思議なお味だったようです。
(というか、タブレットを溶かすんだけど、顆粒のザラつく感じが苦手だったのかな?)